日本人にとってアニメは、切っても切り離すことのできない文化の一つになりました!
今ではそのジャンルは恋愛、日常、異世界、ギャク、アクション、ロボット、SF、ホラーなど多岐にわたり、人によって好みもさまざまです。
日本のアニメ制作の技術は世界でも認められており、熱狂的なファンも多くなってますね。
アニメ制作はほとんど東京の一極集中状態ですが、
地方に拠点を置きながらも、非常に高い評価を得ている制作会社もいくつか存在します!
今回は、そんな地方のアニメスタジオについて書いていきたいと思います。
~目次~
アニメ制作は東京一極集中
ただ日本のアニメ制作会社は東京一極集中という現状が長く続いていました。
アニメは一本制作されるまでに非常に多くの工程と人材を必要とするため、
制作会社やアニメ声優の事務所のほとんどは東京に拠点を置いているんですね。
アニメーターや演出はフリーランスが多く、彼らは1日で複数のスタジオを回ることもあるようです。
制作会社にとっても、当然東京に拠点を置いたほうが人を集めやすいですし、
制作する上でもコミュニケーションも取りやすくなります。
日本動画協会によれば全国のアニメ制作会社は2020年段階で811社、
このうち東京は692社で、全体の85%を占めています。
地方アニメスタジオ創設の動き
制作本数の増加
しかし近年では、地方にアニメ制作スタジオを創設しようとする動きが高まってきています。
その背景には従来のアニメスタジオだけでは増大するニーズに対応できなくなっていることが関係しているそうです。
近年作品へのニーズは高まり続け、毎年およそ300本近いアニメシリーズが公開されており、
有力なスタジオは2〜3年後まで制作予定が埋まってしまい新たな企画が入る余地はないという現状があるんですね。
確かに毎クールものすごい数の作品がアニメ化されてますよね……。
その影響でこれまでアニメと結びつきがなかった地方でのアニメスタジオの設立が目立っていて、
名古屋や大阪、福岡などの都市だけでなく、秋田、岡山、新潟など幅広い地域に広がりを見せています。
また、『鬼滅の刃』や『Fateシリーズ』を手がけるufortableは徳島に、
『進撃の巨人』のWITSTUDIOは茨城に、
『ユーリ!!! on ICE』や『呪術廻戦』のMAPPAは仙台にそれぞれスタジオを新たに設立するなど、
大手制作会社も地方に拠点を設けて活動しています。]
デジタル化の波
アニメニーズの増大だけでなく、アニメ制作のデジタル化の波も、
東京から遠い場所での作業を後押ししています。
近年視聴する機会の多いCGアニメは、
作品や素材の制作がパソコンだけで完結するので遠方での作業も問題ないですし、
物理的なやりとりが存在しないため、スタッフ同士の打合せもオンラインミーティングで十分可能ですね。
たとえCGを使わず、手書きで原画を仕上げる場合でも紙をタブレット、
鉛筆をタッチペンに置き換えることで、デジタル作画の技術を確立することができます。
紙がなくなりネットで受け渡しができるので、地方のアニメーターが仕事を受けることが可能となるのです!
地方ならではの人材育成
またもう一つ、地方のスタジオが増えている理由があります。
それはアニメ業界の人材不足です。
アニメの制作本数は増加する一方で、
その労働環境の厳しさから辞めてしまう人も少なくなく、
各社優秀な人材の確保や人材育成が大きな課題となっています。
そこで注目されるのが地方の都市なのです。
特に京都、福岡、大阪はクリエイティブ系の専門学校が多いにもかかわらず、
アニメやゲームといったエンタメ系の就職先は少なく、
スキルを持った人材が全く別の仕事に就くということも少なくないそうで、
こうした学生を囲い込んで育成し、増え続けるニーズに対応していこうという狙いがあるようです。
地方での成功例!「京アニとP.A.WORKS」
1981年に設立された京アニは、
『らき☆すた』、『けいおん!』、『涼宮ハルヒの憂鬱』といったヒット作で名を上げた制作会社です。
京都に拠点を置きながらも、丁寧な作画や繊細な心理描写、
斬新な演出などで、国内外問わず高い評価を得ています。
「地方アニメ制作会社といえば京アニ!」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
また、富山県南栃市に本拠地を構えるP.A.WORKSも人材育成で定評があり、
京アニ同様作画や演出で高い評価を得ているのはもちろん、
地元北陸を舞台とした作品や、オリジナルアニメの制作、お仕事系のアニメが多いのが特徴です。
地方であれば、同じスタジオで長期間働くことを希望することが多く(人材の流動性が低い)、
時間や労力をかけて教育することもできるのが、京アニ、PAの発展の要因かもしれないですね。
ただ昨今は東京のアニメスタジオでも人材育成に積極的になってはいる。
しかし都内にはアニメスタジオが多く、人材流動も活発なため、
会社にとって人材育成はリスクが大きく、教育に多くの労力、資金を投じて育てたスタッフが、
その技術を携えて転職するケースは少なくないそうです。
地域と密着したアニメ制作
京アニもPAも、作品に舞台を設定し、その舞台を忠実に再現したものが多く、
アニメ聖地巡礼や地域振興に密接に関わっています。
特にPAは地元富山の観光アニメプロジェクトにも関わっており、
富山のクリエーターと力を合わせて富山三大ブランドのアニメ化に成功しました。
この他にも地元若手音楽チームとも協力し、富山の魅力を日本のみならず海外にも広めたり
また、とやま県民家庭の日アニメーション化プロジェクトにも携ったりと、地元富山との関係性も深いようです。
京アニもアニメ聖地巡礼の礎を創ったとされる『らき☆すた』をはじめ、
数々の作品で地域とアニメを結びつけていますね!
地方のアニメ制作会社が観光産業にも良い影響を与えてくれるかもしれないですね。
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まとめ
今回は、現在のアニメ制作会社の課題や地方でアニメ制作を進める動きも、
徐々に高まっている件について解説していきました。
また京アニとPAのようなとんでもない会社が地方から生まれてくる未来を想像すると、
めちゃめちゃワクワクしてしまいますね(笑)