~目次~
涼宮ハルヒってどんな作品!?
涼宮ハルヒの憂鬱はは2006年に放送され、その後原作も含め爆発的にヒットした作品です。
ファン層やジャンルが異なるため一概には言えませんが、
最近で言えば「鬼滅の刃」のような熱量、盛り上がりも見せた作品といっても過言ではないでしょう。
平凡な男子高校生キョンと世界のあらゆることに影響を及ぼす涼宮ハルヒを中心に、
彼らが創設した部活「SOS団」の活動を描いた物語です。
今回は、アニメを制作をした京都アニメーションにとって、大きなターニングポイントとなった涼宮ハルヒの憂鬱を深堀して、
本作品がアニメ業界にどんな影響を与えていったのかを考察していきます!
涼宮ハルヒの特徴
まずはこの作品の特徴を挙げていきます。
①学園、SF、タイムリープ、異星人の要素を詰め込み、キャラの魅力を前面に押し出す。
②EDのダンス「ハレ晴れユカイ」。
③作中のライブシーンでの楽曲など現在でも根強い人気を誇る。
④エンドレスエイトはほとんど同じ話を8話連続で放送し、大きな話題となった。
それぞれ掘り下げていきましょう!
➀ジャンルを超越した物語
ハルヒは高校入学時、最初の自己紹介で、
「ただの人間に興味はありません。このクラスに宇宙人、異世界人、超能力者がいたらあたしのところへ来なさい、以上。」
という衝撃的なセリフを言い放ちます。
そんな異彩を放つ彼女に巻き込まれた普通の男子高校生キョンは、
彼女と「SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)」を結成し、
物語はキョンの視点で進行していきます。
ストーリーは高校生の日常と超常現象などのSF要素が加わったものになっており、
SOS団には2人の他に、本ばかり読んでいる無口の長門有希(宇宙人)、
小柄で童顔の朝比奈みくる(未来人)、転校生の小泉一樹(超能力者)の5人で構成されています。
しかし彼らの正体は異世界人でした。
そしてハルヒは世界をも揺るがせるような大きな力を持っていました。
やがて平凡な主人公のキョンはその世界規模の騒動に巻き込まれていことになります。
日常的な学園青春アニメかと思いきや、途中からSFへと変容し、
さらにハルヒの秘密が明らかになると、世界規模の話へと転換する。
このようなジャンルを超越した物語構成はこの作品の大きな特徴であると考えています。
➁ハレ晴れユカイを踊ってみた
この作品のEDテーマ「ハレ晴れユカイ」で、
メインキャラ5人のダンスシーンが描かれており、このダンスが流行しました。
当時ニコニコ動画がサービスを開始したばかりだったこともあり、
「ハレ晴れユカイを踊ってみた」動画が大量にアップされたり、
コスプレで集まってダンスを踊るオフ会的な動きもあったりと、
秋葉原など踊る人々が登場したようです。
➂第26話「ライブアライブ」
EDの「ハレ晴れユカイ」と同様、京アニの技術力が光ったのが、
第26話「ライブアライブ」でのハルヒ達のバンドシーン!
ドラム、ギター、ベース、それぞれの演奏描写やボーカルの口の動きも歌詞と見事にシンクロし、
その楽曲「God knows‥」は現在でも人気を博しています。
2021年8月に放送した、アニメ『ぼくたちのリメイク』第5話で、
学園祭でライブをすることになったメインキャラの一人である奈々子が、「God knows‥」を歌ってましたね(笑)
また2020年11月、シリーズ9年半ぶりの新作「涼宮ハルヒの直感」が発売されたことも大きな話題となり、
今もなお衰えない人気を誇っていることを示しています。
➃エンドレスエイト
エンドレスエイトは、ファンの間でも賛否両論があり、
多くの論争、考察のネタにもなっています。
内容としては、原作第5巻の中のエピソードで、
夏休みが何度も繰り返されていることに気づいた主人公たちが、
夏休みを終わらせるために悪戦苦闘するというものです。
ほぼ同じような内容の話が8話連続で放送され、
放送当時は視聴者にかなりの衝撃を与えました。
この驚きの演出、異色の試みは多くの批判を受けることにもなったが、
視聴者も一緒に、主人公たちのループの絶望感を味わうことができるかもしれません(笑)
涼宮ハルヒが与えた影響
涼宮ハルヒの憂鬱の大ヒットは、深夜アニメの活性化、
ライトノベル原作のアニメ化の増加、オタクの人口の増加など
深夜アニメ業界やオタク文化の形成の一つの要因となりました。
また、ハルヒはメディアミックスにおいても大きな影響を与えました。
2000年代前半までは、時間や制作上の都合などで原作を大きく改変したり、
アニメオリジナルのキャラを登場させたりして、原作の良さを表現できていないといった理由から、
アニメ化されることは必ずしもプラスとして捉えられていませんでした。
制作会社側でも「原作を原作のままアニメ化したらアニメが売れなくなる」といった考えがあったとされます。
一方、ハルヒは時系列や構成など多少の変更はあったものの、原作を忠実に再現しました。
ハルヒのヒット以降は、原作にはなるべく手を加えないことが、
アニメ化のメディアミックスの基本として定着したことで、
アニメオリジナルな要素を入れてたたかれてしまうといったことも増えたのかもしれません。
その他にも、主人公キョンのように他の登場人物に振り回される「やれやれ系主人公」の台頭、
ライブシーンを取り入れる作品の増加、
主人公の男性目線で話は進むものの、メインはあくまで女性ということを強調するためか、
タイトルに女性キャラクターの名前をつける作品の増加など
現在でもハルヒの影響があると感じるものも多くみられます。
このように涼宮ハルヒの憂鬱という作品様々な影響を与え、その余波は現在にまで及んでいます。
さいごに
今回は、『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品の特徴について掘り下げ、
アニメ業界に与えた影響について考えてみました。
やっぱり改めて、多大な影響をもたらした作品であることがわかりましたし、
京都アニメーションさんの凄みを感じますね。