今回は「千歳くんはラムネ瓶のなか」通称チラムネ9巻のネタバレや感想を綴っていきます。
今回は3日間の学園祭の様子が描かれて、各キャラの関係性も大きく変化しましたね。特に印象に残った優空、紅葉、七瀬について詳しく解説していきたいと思います!
~目次~
チラムネ9巻:感想
9巻は8巻の後編ということで、いよいよ学園祭がスタートしました。
各キャラたちの心情が「これでもかっ!」てくらい詰め込まれてて、まさに超濃厚な青春物語になってました。
この作品のテーマである「リア充ならではの葛藤」「人との向き合い方」「終わることの美しさ」みたいなものがひしひしと感じられました。
自分もこんな青春を送りたかったなぁと思う反面、3日間で応援団に演劇に部活の催しも全部やるってめっちゃ大変だなと思いますねw
ストーリー的には、これまでの集大成という形で、特に千歳と七瀬、紅葉の生き様がかっこよかった!7巻で紅葉が登場して色々ひっかき回していたけど、今回で一旦区切りという感じになりますね。
陽も明日姉も優空もそれぞれ見せ場があったけど、夕湖にほとんどスポットが当たらなかったのが気になるな。10巻では彼女が中心の話になるのでしょうか。物語も終盤に差し掛かっているので、千歳がどんな「答え」を出すのか楽しみに待ちたいと思います。
相変わらずちょっとクサいセリフが多すぎた感はありますが、やっぱりそれがガチっとハマったときの爆発力、というか感動はすごい作品だと改めて感じました。
9巻あらすじ
いつまでも色あせない、青に染まれ。
ついに藤志高祭が幕を開けた。
2か月の準備を経て、この3日間にありったけを注ぐ青春の祭典。
校外祭は優空の吹奏楽ステージ、体育祭は陽との二人三脚。応援団では、紅葉や明日姉たちと青色海賊団のパフォーマンスがひかえる。
そして最終日。俺、千歳朔こと優柔不断な王子さまは、白雪姫と暗雲姫のどちらかを選ばなければならない――。
なにもかもは掴めず、誰もが鏡に向かって問いかけている。
それでも俺たちは、たったひとつの望みにかけて、願う。
どうか今だけは。
いつまでも色あせない、青に染まれますようにと。
チラムネ9巻:ネタバレ
さて、ここからは9巻のストーリーを簡単にまとめてきたいと思います。
学年祭の1日目は文化部の出し物などを行う校外祭、2日目は体育祭、3日目は各クラスの出し物などを行う文化祭という形になっていました。
1日目:学園祭開幕!!
いよいよ待ちに待った学園祭がスタートしました。
スローガンは「Shoot the blue moon」。青春の「青」とめったないとう意味で使われる「ブルームーン」をかけあわせて、この限られた青春の時間を「撃ち抜いて」思い出に残る時間にしようということだそうです。
最初は生徒会長が場をあたためた後、先生たちによるパフォーマンスが開演。
着崩した制服姿で登場した蔵センと美咲先生が、ダンスパフォーマンスで会場内を盛り上げていましたw
ちなみに会場は福井県のフェニックス・プラザというところで、周辺の休憩スポットや屋台の様子などが細かく描かれており、また聖地巡礼に行くのが楽しみになりますね!今度「コッペ亭」のコッペパンと秋吉の焼き鳥食べにいこうかな。
1日目:優空のステージ
「私の演奏、聴いてくれますか?」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
「今日は朔くんのために吹くから」
優空は吹奏楽部のステージの前、千歳に自分の想いを音に乗せて届けると伝えます。
千歳は6巻で夕湖を振ってから、優空に吹いてもらったサックスの音色を思い出しながら、彼女を優しさを身に染みて感じていました。
学園祭1日目の最後を飾る、吹奏楽部のステージ。
ボーイッシュなスーツ姿と大きなサングラスをかけて登場した優空。普段真面目な優空がおちゃらけた感じでサックスを演奏するギャップに、チーム千歳の面々からは笑顔が溢れます。
そしてついに優空のソロパートのシーンがやってきます。
「私を見つけてくれてありがとう」「居場所を作ってくれてありがとう」「誰よりもあなたのそばにいたいです」
優空は演奏と通じて、千歳の心に直接語りかけます。千歳は温かい想いが心に降り注ぎ、涙が抑えられなくなってしまいました。
隣にいた夕湖や七瀬にも「朔と優空の心の対話」が聞こえてきて、思わず涙を流してしまいます。
演奏を終えた優空は、充実感と興奮冷めやなぬまま、真っ先に千歳のもとに駆け寄り「自分の想いが届いたか」確認します。
その後周りの生徒たちに注目されていることに気づいた優空が、恥ずかしそうにその場を後にするのが可愛すぎましたねw
悠月と紅葉
学園祭初日が終わり、明日の体育祭を前にして感傷に浸るチーム千歳。
約2ヶ月必死に練習してきた応援団の活動もいよいよ明日で最後。こういうのって呆気ないくらいあっさりやってきて、終わってしまうんですよね。
悠月はみんなと別れた後、後輩の紅葉と一緒に帰路につきます。
7巻でバチバチにぶつかり合った2人ですが、最近はお互いのことを理解し、腹を割って話せる関係になってきましたね。
悠月は誰よりも自分の感情に素直な後輩に対し、改めて宣戦布告します。
積み重ねてきた時間の差を埋めるために、必死に千歳にアピールしようとする紅葉にちょっと危なっかしい気持ちを抱きながら、彼女の覚悟を受けとめる悠月がかっこよすぎます。
2日目:陽と千歳の2人3脚
体育祭にて、千歳と2人3脚のコンビを組むことになった陽。
相手は「悠月&和希」ペアで、陽にとって絶対に負けられません。
陽は悠月が東堂舞をバスケで圧倒したとき以来、悠月と肩を並べていられる自分でいるために必死に努力していましたが、いまだに壁を打ち破れずにいました。ずっと隣にいると思っていた相棒が、気がつけばずっと向こうに行ってしまっていたら、どうしたって気持ちになってしまいますよね。
見えない「心の手がかり」を見つけるため、千歳は陽と全力で勝ちに行くことを誓います!
しかし練習で全く息が合わない千歳と陽。
千歳は陽に「リズムと歩幅を合わせて、全力で走れ。あとは俺が合わせるから」とすべて自分に身を委ねるよう提案。
千歳の作戦は功を奏し、本番では悠月&和希ペアをぐんぐん引き離していきます。
しかし器用な悠月&和希ペアは、すぐに千歳&陽ペアの作戦を真似して猛追。先頭が入れ替わります。
こんな激アツな2人3脚は初めて見ましたw
諦めない千歳&陽ペア。今度は千歳のペースに陽が合わせることで加速し、悠月&和希ペアを追いかけます。
ラストはわずかな差で千歳&陽ペアが勝利!!陽にとっては、自分の壁をぶち破るきっかけ「ハートの手がかり」を見つける勝利になりました。
その後、夕湖ママや明日風パパ、優空パパが千歳に声をかけていました。
特に明日風パパの娘への愛が強すぎて、ちょっとネタキャラになってきましたねw
しかも千歳たちの応援団パフォーマンスに協力していたことも判明し、地味にどんどんいいキャラになってる気がします。
応援団のパフォーマンス
体育祭も午後の部に突入し、ついに応援団の発表のタイミングが訪れます。
千歳と悠月が、緊張している団員に気合を入れて、いよいよ本番がスタートします。
高校生の次元を超えた、とてつもない完成度の応援パフォーマンスでしたw
①最初のフォーメーションは「出航・航海」
千歳が率いる陣営と七瀬率いる陣営にわかれ、主要メンバーを中心に剣舞を披露します。
剣を振るう優空、明日風、陽、夕湖のパフォーマンスに観客が酔いしれます。
②次は豪快なアクションパート
「千歳&紅葉」VS「悠月&和希」が中心のこのシーン。個人的に器用すぎていいやつすぎる和希のパフォーマンスが印象に残りましたが、中心は千歳、紅葉、悠月の戦いを通しての気持ちのぶつかり合いになります。かなりのページ数を割いていており、読み応えありましたね。
③最後の宴のパート
両陣営の和解が成立して宴を楽しむシーン。ここでなんとバンドが始まりますw
ボーカルは夕湖と紅葉、優空がキーボード、明日姉がギター、悠月がベース、陽がドラムという寄せ集めのガールズバンド。
他の団員は健太を筆頭に、全力でオタ芸を踊るというカオスな展開。
バントメンバーはそれぞれが「どんな結末が待っていようとも前を向いていきたい」「あなたの隣にいたい」、自分の想いを音楽に込めて演奏していました。
ちなみにバンドの曲に関しては、2巻で悠月のストーカーをしていた成瀬智也が作った曲です。
智也が千歳の言った言葉を素直に実行し、バンドを始めていたんですね。過去の悪役がこういう形で登場するのは個人的にめっちゃ好きでしたw
結果はもちろん、千歳率いる青組の勝利!!難しいパフォーマンスをやり切った点やバンドなどを取り入れた柔軟は発想で、観客の盛り上がりも他とは段違いでした。
体育祭の総合優勝も青組が獲得し、青組は有終の美を飾りました。
3日目:明日姉の猫メイド
ついに迎えた最終日の文化祭。
2年5組の演劇は午後から開催されるため、千歳は午前中、ひとりで明日姉のクラスの出し物を見に行きます。
看板もろくに確認することなく扉を開けると、、、
「おっ、おかえりにゃさいませっ、ご主人さま♡」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
猫耳とセクシーなメイドの衣装を身につけてた明日姉が登場。
千歳はあまりに魅力的な明日姉の姿に固まってしまい、いつもみたいな軽口を叩けなくなりますw
明日姉は千歳と過ごせる最初で最後の学園祭、特別で非日常な時間をもっと共有したかったようです。にしても、インパクト強すぎたw
接客のあとは、明日姉自ら千歳のために練習したオムライスを作り、彼に振る舞っていました。
「「美味しくにゃーれ、美味しくにゃーれ♡」」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
とにかく明日姉が可愛すぎる癒しパートでした。
紅葉の告白と千歳の葛藤
明日姉の猫メイドを堪能した千歳は、その後七瀬とデートし、午後からは紅葉のクラスの出し物を見に行きます。
紅葉のクラスの出し物は、「普段なかなか口にできない不平不満、秘密、気になる人への想い」をステージで叫んじゃおう的なやつ。
この時点でなんとなく先の展開の予想がつきましたね、、、。
チーム千歳の面々が企画を盛り上げ、会場が温まったままいよいよ最後は紅葉の主張。
紅葉は千歳をステージにあげ、彼に自分の気持ちを伝えます。
「ずっと、ずっと先輩のことが大好きです」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
「私と、付き合ってください」
千歳は当然、紅葉の告白を断りますが、「これからは後輩じゃなくてひとりの女の子としてみてほしい」という気持ちに対して
「これからは、ない」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
「ごめん、ここで終わりにしよう」
「ーこれ以上、心の中に誰の居場所も作りたくはないんだ」
と言って紅葉を突き放します。
出会った順番が少し違うだけで、スタートラインにすら立てなくなる。ほんとに恋愛はタイミングですね。。。
ショックを受けた紅葉はステージを飛び出し、辛そうな顔でステージを後にする千歳。
しかしここで悠月が動きます。悠月は千歳に対し、「紅葉の気持ちに向き合おうともせず切り捨てるな。お前がなぐさめろっ」と喝を入れます。千歳と紅葉のことをよく理解しているからこその、カッコ良すぎる悠月の言動に、正直うるっときちゃいました。
逃げ出した紅葉の元へ向かう千歳。
「スタートラインに立つ権利だけは与えてほしい」「仲間は外れにしないでほしい」
紅葉の気持ちに向き合い、彼女の器用で不器用な面も知った千歳は、屋上の鍵を彼女に渡し、
「誰よりも一途で強がりなお前を、三代目屋上掃除係に任命する」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
「いつでも入ってこい、ずけずけ踏み込んでこい」
と挑発的なセリフを発します。
スタートラインから走り出す権利を得た紅葉は、文化祭後はすっかり立ち直り、またチーム千歳の面々と元気に絡んでいました。
紅葉もめちゃくちゃいいキャラになってきましたね!
王子様の選択は?
千歳と紅葉は飛ぶように階段を駆け下り、千歳は大急ぎで演劇の衣装に着替えステージに向かいます。
夕湖や悠月が、千歳の不在をカバーしながら舞台を進め、ついにクライマックスを迎えようとしていました。
「白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子様」
最初はライバルだった白雪姫と暗雲姫は、やがて親友とまで呼べる存在になるも、同じ人を好きになってしまう。
どっちが彼と踊ることになっても恨みっこなし。
さて、王子様の決断のシーンがやってきます。
「暗雲姫、どうかこれからも私と向き合い続けてくださいますか」
『千歳くんはラムネ瓶のなか9』裕夢 ガガガ文庫
「ー七瀬悠月にがっかりされない男で在りたいんだよ」
千歳は自分のありのままを認めてくれた悠月に心を捧げました。
悠月はポロポロと波を流し、膝から崩れ落ちます。
完全に空気だった夕湖は、はじめからすべてわかっていたような穏やかな表情で微笑んでいました。
こうして3日間の学園祭が幕を閉じることになりました。
『チラムネ』読むならこちら!!
『千歳くんはラムネ瓶のなか』を読むならeBooksJapanがおすすめです!!
★作品数85万冊以上
★5000冊以上試し読み無料
★ 初回ログインで70%OFF×6回クーポンがもらえる!
★PayPay支払いもできてポイントも貯まりやすい!
⬇ ⬇ ⬇
まとめ
今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか』9巻の感想やネタバレをまとめてみました。
気になった方はぜひ原作小説買って読んでみてください!
それではまた!