今回は「千歳くんはラムネ瓶のなか」通称チラムネ8巻のネタバレや感想、
ついに自分の殻を破って全力で恋と向き合う七瀬悠月について詳しく解説していきます。
いやぁ、この巻の悠月はマジでヤバすぎた！！
～目次～
チラムネ8巻：個人的な総括
8巻は文化祭編の前編ということで、第2章までしかありません。
それでも500ページ近くありますが（笑）
実は文化祭は開幕すらしていませんので、終始七瀬悠月をヒロインとして、彼女の強さや弱さ、葛藤や覚悟が描かれていました。特に後半は大興奮でした。
感想としては、やっぱり恋はこんなにも人を変えてしまうんだなぁと少し怖かったですね。
『よう実』の一之瀬帆波と少し被るところがあると感じる…。
7巻で後輩の紅葉に叩きのめされた悠月が、自分の美学を捨ててまで勝負にいき、最後は自爆気味で終わるというのが、なんとも心苦しかった。でも、こんな展開のあとで劇なんて出きるのかなw？劇ラストのアドリブで、千歳がどういう答えを出すのか気になります。
あと、悠月の覚醒に焦る陽と美咲先生のやり取りがエモかった…！！
8巻あらすじ
ーー鏡よ鏡。あの月にふさわしい女は、誰?
「昔むかし、あるところに、暗雲姫と呼ばれる美しいお姫さまがいましたーー」
穏やかな9月が終わり、10月。
藤志高祭の準備は佳境を迎えている。俺たちのクラスの出し物は、オリジナル演劇『白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子さま』。
白雪姫は夕湖で……あとはわかるな?
なずなの意図を感じつつ、俺たちは映し鏡のような物語を演じていく。
はふう、と。真夜中みたいな吐息を漏らして、暗雲姫が口を開いた。
「鏡よ鏡。ーーこの世でいちばん美しいのは、誰?」
朱々しい毒りんごを胸に潜ませて。七瀬悠月の舞台が、幕を開けるーー。
『チラムネ8巻』ネタバレと感想
七瀬悠月の覚悟
"たとえ美しくなくても、あなたの隣で生きていけるなら"
7巻での紅葉とのやり取りから、自分の美学を捨ててでも千歳への恋を成就させたいと強く思うようになった悠月。
後日、紅葉からデート！？に誘われて、2巻で登場したエッグベネディクトのお店に足を運びます。
紅葉は、悠月を叩きのめしてからも今までと変わらず絡みにいき、今回は改めて宣戦布告をしに来るというなかなかのメンタルの持ち主w
「愛する男のために変われない女なんて、私は恐くありません」
『千歳くんはラムネ瓶のなか8』裕夢 ガガガ文庫
「七瀬悠月よりはナナのほうが手強そうです」
悠月はどこまでの自分の気持にまっすぐな紅葉を美しいと思い、「ナナでも鏡の魔女にでもなってやる」という決意を固めます。
バスケでもたがを外した悠月の動きは抜群で、強豪校との試合でもコートを支配してチームに勝利をもたらしました。
「出し惜しみをしない」という美しさを知った七瀬悠月は超強い！！
白雪姫のラストはアドリブ！？
文化祭でチーム千歳が演じる『白雪姫』。
演劇を取り仕切っていたなずなが主役の千歳、夕湖、悠月用に脚本をアレンジしていましたが、、、
「演目としては白雪姫だけど私的にはＷヒロインのつもりだから、文化祭の舞台で、夕湖と悠月のうち女優としてよりよい演技をしていたほうを最後に千歳くんが選ぶの」
『千歳くんはラムネ瓶のなか8』裕夢 ガガガ文庫
演劇のタイトルも『白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子さま』ということで、
Ｗヒロインがどんな演技をして、千歳がどういう決断を下すのかめちゃめちゃ楽しみですね（笑）
最近は、なずながすごく良い立ち位置のキャラになってきてるよなぁ。
演劇の衣装も完成。練習も良い感じで進んでいきます。
千歳は悠月の変化、また周りのみんなの変化を感じており、
”俺だけが変われずにいるのか”と少しモヤモヤした感情を抱くようになっていました。
美咲先生の夢
正直、8巻の中でこのシーンが一番良かった！
悠月の覚醒により、自分が置いていかれたと落ち込んでいる陽に、美咲先生が声をかけます。
そこで美咲先生は、「悠月と陽の力を最大限引き出せば、全国制覇も夢じゃない」と言い出します。
これはびっくり( ﾟДﾟ)。陽もそれを聞いて元気を取り戻します。
成長するタイミング、才能や努力が報われるタイミングは人それぞれだから、覚醒した悠月と何かを掴んで成長した陽のコンビネーションが決まれば、全国制覇も狙えるかも？
まさか美咲先生がそんな夢を抱いていたとは。
今後の女子バスケ部にも注目ですね！
物語は先に進んでいた
各々が応援団の練習に集中している中、紅葉は夕湖から『夏休みの出来事』の顛末を聞くことになります。
紅葉は自分の知らないところで物語が進んでいて、何も知らない自分が、その領域に入り込んでいたという感覚を強く抱くことに。
当然、自分のしていたことを振り返り動揺する紅葉でしたが、それでも自分の軸がぶれることはありません。悠月には少しからかわれましたが、千歳を手に入れることに躊躇はありません。
本当のライバルになった悠月と紅葉。こういう腹を割って話せる関係性もなんかジワるなぁ。
”ナナ”の本領発揮
悠月(ナナ)は、紅葉に負けじと、
明日姉のように千歳の悩みに寄り添ったり、優空のようにご飯を作りに行ったりして『鏡よ鏡』、千歳が望む七瀬悠月を演じようとします。
そして"ナナ"は千歳に対し、
「役割分担された昼の世界はみんなに譲ってもいい」
『千歳くんはラムネ瓶のなか8』裕夢 ガガガ文庫
「ーまだ名前のついていないあなたの夜を私にちょうだい？」
というように誘惑し、怒濤の勢いで彼の肌を舐めまくります。
突然の常軌を逸した行動には私も驚きました（笑）
このシーンが30ページくらい続いてずっと息苦しかったですが、この状況で理性を保とうとする千歳くんの方がもっと苦しかったはず。
さて、千歳はどうするのか。
千歳が好きなのは…
千歳は"ナナ"の覚悟を受け入れようとはしませんでした。
「この夜を受け入れてしまったら、俺の大好きな七瀬悠月がナナから帰ってこれなくなる気がしたんだ」
『千歳くんはラムネ瓶のなか7』裕夢 ガガガ文庫
「ーあの日から俺の心の中にいるのは、七瀬悠月なのに」
千歳が惚れたのは、「七瀬悠月で在り続けようとする七瀬悠月」。つまりは『鏡よ鏡』、誰かになろうと演技することのない七瀬悠月だったんですね。
・自分なりの美学を重んじる七瀬悠月
・出し惜しみせず、全力で向かってくるナナ
個人的には後者の方が好みではあるんですが、
ここで悠月は千歳の1つの答えにたどり着いたわけですね。
この一連の流れは、ほんとにページをめくる手が止まりませんでした…。
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まとめ
今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか』通称チラムネ8巻についてまとめてみました。
あの状況でも欲望に流されない千歳は、マジでヒーローというか紳士すぎますね。
8巻では特に悠月の強さ、脆さ、美しさが詰め込まれていて読み応えは抜群でしたが、
文化祭の話があまり進まなかったというところで、若干消化不良です（笑）
ただ個人的には、好き嫌いがはっきりわかれそうな作品になってきたなぁとも感じています。
気になった方はぜひ原作小説やコミカライズを読んでみてください！
